冥土めぐり

著者 :
  • 河出書房新社 (2012年7月7日発売)
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本棚登録 : 1306
感想 : 261
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『冥土めぐり』
第147回芥川賞受賞作。
強欲で陰湿な母親と弟に、金をたかられ食い物にされる主人公とその夫。母親と弟が本当に嫌な人物で読んでいて気分が悪くなった。実家に対しての主人公の主体性の無さが目立ち、読んでいてもどかしかった。そういう気持ちが沸き起こるのだから、著者の狙いは成功してるのかもしれない。脳の病気を患い杖をつき、車椅子生活の夫。主人公は無職の夫を支え、かいがいしく世話をする。タイトルの冥土めぐりとはどういう意味なのか最後まで言及されなかったが、主人公たちが訪れる母の過去の思い出のホテルを、死者が訪れる冥土になぞらえているのかもしれない。

『99の接吻』
冥土めぐりよりも面白かった。3人の姉を愛する末っ子の菜菜子が主人公。少女趣味的ではあるが、無垢な愛が描かれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芥川賞
感想投稿日 : 2022年2月23日
読了日 : 2022年2月23日
本棚登録日 : 2022年2月23日

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