説教節の代表的作品である「小栗判官」を漫画化。悪事の末殺され蘇った小栗判官とその妻照手姫の物語。同じく説経節を漫画化した「妖霊星―身毒丸の物語」(元は「弱法師」)に比べると脚色はごく少なくストレートに描かれていて、そのため物語的には若干盛り上がりに欠けるかも。
それでもやはり近藤ようこらしさはしっかりあって良い。特に、照手姫が気狂いを装って小栗の車を曳く箇所などは、照手の表情が非常に妖艶で素晴らしい。ミニマムな絵柄でこの色っぽさ、さすがは近藤ようこ。
なお、折口信夫の「死者の書」の漫画化に着手したことがあとがきに記されています。これも楽しみで待ち遠しいところです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2015年1月2日
- 読了日 : 2015年1月2日
- 本棚登録日 : 2015年1月2日
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