監督の浅川という名前以外は、ほとんどが無名で漁夫、雑夫などとの表記で登場する。記号のように感じさせるのは、人間として扱われていなかったことを象徴するかのよう。「蟹工船」が航船ではなく、工船すなわち工場としての存在だったことがリアルに良く分った。そして共産党検挙の3・15事件を扱った作品。こちらは生々しく拷問を受ける個人個人が名前で示される。小林自身もそのような中で死んでいっただけに迫力がある。しかし、両作とも社会主義が崩壊した今となっては古色蒼然とし過ぎていることは否めない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年10月28日
- 読了日 : 2015年10月28日
- 本棚登録日 : 2015年10月24日
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