ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2005年6月10日発売)
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本棚登録 : 446
感想 : 51

2020.1.18. 大山鹿古本市にて購入。

タイトルと言い、南伸坊さんの表紙イラストと言い、軽妙でユーモラスなエッセイ集を連想する。確かにそうなのだが、稀代の名文筆家はそれで終わらない。深い感情移入と洞察力、思考力、表現力で読む者の手を止めさせない。

ペットとして飼われる犬や猫は、どのようにして飼い主や人間に馴染むのか。自分の居場所だと確信したらどういう風に態度が変わるのか。他の犬猫から教わる事でどのように成長していくのか。新しいペットが登場したらどのような思いを抱き、行動するのか。

時に可愛らしく、時に哀感をにじませ、時に感心させる。愛情がしかと通じたり、逆に動物たちの思惑に沿えなかったり、硬い言い方をすれば動物行動学のテキストとも言える。

ハラハラドキドキの展開、悲しい展開、ちょっとミステリアスな展開もあり、またしても米原節に時を忘れた。彼女の作品に親しめば親しむほど、彼女がこの世に居ない淋しさが募る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月18日
読了日 : 2020年5月30日
本棚登録日 : 2020年1月18日

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