帯より作者の言葉
「海霧」は、生家をモデルにした一族の物語である。物語である以上、すべて事実であるわけはなく、虚と実とがないまぜになった小説ということになろう。すべてが虚であり、すべてが実であると作者は言いたいけれど、コツの部分について触れるなら、生家は女系であった。父親と馬首を並べて根室まで買い付けに行き、ときには沖積みまで指図して、26歳の若さで世を去った祖母・・・。彼女は少女時代の私のヒロインであった。この物語のパン種は、明治の昔に早世した女人にあるのかもしれない。
(作者は、作中では千鶴の長女にあたるようである)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・人に歴史あり
- 感想投稿日 : 2017年2月5日
- 読了日 : 2016年3月29日
- 本棚登録日 : 2016年3月29日
みんなの感想をみる