すべての見えない光 (ハヤカワepi文庫)

  • 早川書房 (2023年11月21日発売)
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本棚登録 : 295
感想 : 10
5

時間軸や人物の視点が次々に入れ替わっていく、パズルのような構造の物語。第二次世界大戦を背景に、戦争が人々の人生を否が応でも変えていってしまう中盤まで、膨大な文章量も相まって読むのにエネルギーを使う。しかし、それまでの伏線を回収しながら全ての話が繋がっていくラストの約100ページは圧巻。

長編小説ではあるが、ノンフィクションの要素も、ミステリーの要素も、詩の要素も、神話の要素も散りばめられている。作者の大胆かつ緻密な構成と、優しく丁寧な人物描写が素晴らしい作品。いつかまた読み返せたらと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2024年3月23日
読了日 : 2024年3月23日
本棚登録日 : 2024年3月22日

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