徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男

著者 :
  • 集英社 (2016年6月24日発売)
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数少ないファン作家の一人、木村さんの一冊。今回もメジャーではない切り口からサッカー界と社会を調べ、見せてくれた。いきなり日本代表森保監督とのストーリーから始まる。そして、サンフレッチェ広島の青山などの話につながる。しかも、出版されたのは2011年だから、当然森保さんが代表監督になるずっと前に。そう。本当にすごい人達を育てた人が、サンフレッチェにいたらしい。そんな人のお話。
こんなことが書かれている。
・マツダの社員としてどんな風に人を育ててきたか、
・地域のために存在するのがクラブであると定義し、いかに実践してきたか、
・トリニータやFC岐阜などをいかに立ち上げてきたか
・その中で、どれだけの人たちから、尊敬され愛されたか(尊敬し、愛したか)
・Jリーグの発展進化の中で、どんな風に不利な扱いを受けたか(Jがどうねじまがっていたか?)

その他に印象深かったのは風間八宏さんとの話。
ドイツリーグで活躍していた風間さんが日本に戻ってくるときに選んだのがj2にいたサンフレッチェ。なんでかって今西さんが風間八宏を本当にほしがったから。そしてプロとして大切にしたいことを伝えたから。つまり、このクラブをどうするために、風間さんになにをしてほしいかを明確に伝えたから。
そして風間さんは、ミスが起こると「どんまい」と言って終わらせていたサンフレッチェにおいて、「おまえそんなプレーもできねえのか。他に選手いねえのか」とミスをミスとはっきりする。そうやってプロとしての意識を高めていった。
そう。プロ。

この一冊は、サッカーが好きな人、教育や人事に関わる人、プロスポーツに関わる人、そんな人達にぜひ読んでもらいたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月31日
読了日 : 2019年3月31日
本棚登録日 : 2019年3月31日

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