猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫 お 17-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年7月8日発売)
4.04
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本棚登録 : 8092
感想 : 771

タイトルに惹かれるも挫折しました! 言い訳をご覧ください★



『猫を抱いて像と泳ぐ』! タイトルが秀逸です。惹かれちゃうよね。読みたくなるよね~。
 ……しかし残念なことに、ここ数年では珍しく私が途中で挫折した一冊として、記憶に残りました(撃沈)★

 チェスプレイヤーの話……のはずですが、とにもかくにも主人公の少年が机の下にもぐって出てこない、上に出てくると調子が出ないので下にいるしかない、どうやらこの先も出てこないような気がしてきた……
 といった辺りで、本を閉じてしまったのです。
 ずーっと何かが起こりそうな気配は漂っているけれど、言葉の一つ一つが誠実すぎる分、ノロイのだ★ 机の下に差し込んでくる光も、優しい空気感も、この本のなかに流れるたっぷりとした悠長な時間感覚も、つらかったです★

 いつもは読み始めたら多少の違和感を覚えても「まずは最後まで相手の話を読んでみようか」と考える私。諦めた体験は貴重で、この苦い思いを記録しようとPCに向かっとります。
 小川洋子さんの本に魅力がなかったことなど一度もなく、傑作の予感を信じたい。私には無理だったけれど、読書好きで気長な人に読んでもらい、感想を聞かせてほしいです。喜んで聞き手に回ります。……皆さんのレビューを読めばいいのかな☆

 なお、私がこの感想を書き残すのは、おそらく、本書を読み切れず挫折してしまった人が(私もその一人ですね)、自分をひどく冷たい人間のように感じて悩むのだろう、と想像したからです。その仲間たちに伝えたい。あなただけではないよと★
 もしかしたら、本書に合っているのはボランティア精神のある人かもしれません。他者に時間と気力を分け与えることのできる人、です。誰かに伴走するよりも、自分自身の問題を解決するだけで精一杯な人は、本書にエネルギーを割くのが難しいような気がします。
 
 冷たいかな。でもね。少しでも出てきてくれないと、こっちだって応援の仕方が分からないよ?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 続はっぴゃくじ
感想投稿日 : 2018年12月20日
読了日 : 2017年1月23日
本棚登録日 : 2017年1月23日

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