ぼくとルークの一週間と一日 (sogen bookland)

  • 東京創元社 (2008年8月1日発売)
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本棚登録 : 161
感想 : 29
3

両親が亡くなり、引き取られた親戚とはそりが合わず休暇がいやでいやでたまらない主人公の前に現れた不思議な少年ルーク。彼をなぜか助けることになって...。めまぐるしくすぎる一週間の友情と冒険ファンタジー。

最初の設定はまさにハリーポッター。主人公ディビッドはハリーよろしく伯父一家に邪険にされまくる。救いはまだ話の通じるアストリットがいるところか。まあルークを偶然にも解放してしまった前半では敵だらけだ。アストリットはてっきりロナルドの娘か何かかと思ったが、ロナルドの妻だったとは。姉っぽい感じなので驚いた。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの物語では親がくずであることが多いが、この場合は保護者がどうもくずで、物語終盤で彼らがデイビッドの親の遺産を食いつぶして詐欺を働いて国外追放されたことが分かる。酷い。そんなくずはおいとくとして、ベースとなっているのは北欧神話のようだ。仲良くなったルークはロキ、ミスター・ウェディングはオーディンだという。ルークを日曜日までに隠し通したらルークを罰しないという賭けにのったデイビッドだが、負けてしまいさらにルークが隠したものを見つけたら罰しないという賭けに乗る。三人の老婆にヒントを得たり、ジークフリートに殴られたりと色んな冒険をしてデイビッドは真相にたどり着く。
北欧神話は詳しくないが、この後にラグナロク的ななにかが起こるのかもしれないと思うと少し切ない。老婆に明日、簡単に忘れられない顔を見ることになるとの予言をされるが、それは眠り続けるブリュンヒルトということだったんだろうか。
あとがきに書かれているように、人はみかけでは判断してはいけない、と感じた。一気に読むことができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2012年1月23日
読了日 : 2012年1月23日
本棚登録日 : 2012年1月23日

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