ゴンとピトーの約束は決裂。死んだものは戻せない。無情すぎる現実。ピトーは王のためにゴンを抹殺しようと牙をむく。しかし、その牙が噛んだものは底知れない深い悲しみの穴だった。
あまりに純粋がゆえに、ゴンはその現実と向き合うすべを知らなかった。ここにキルアがいてくれたら変わったのかな。ゴンはカイトを亡くしてから、ずっとそのことに囚われてしまって、成長を止めてしまっていたように見える。それなのに、ピトーを殺すためだけに自らの成長を無理やり速めて力を得ようとしたことが痛々しかった。純粋の果ての狂気は、ただただ悲しい。
再生は果たしたものの、記憶を失った王・メルエム。その隙にコムギを始末しようと画策するプフ。圧倒的な王の帰還の中で、コムギを巡る輪だけが解けずに混乱をもたらしていた。イカルゴとウェルフィンのジャイロを巡る記憶と友情もドラマを生んでいてよかったね。
王が生きていたという絶望は、コムギの存在によって希望に変わるのか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2020年9月5日
- 読了日 : 2020年9月5日
- 本棚登録日 : 2020年9月5日
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