ホワイトラビット (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2020年6月24日発売)
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本棚登録 : 11930
感想 : 818
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黒澤の役割を完璧に間違えていた。もちろん彼が泥棒だということは知っている。そして単なる泥棒ではない。という記憶が、(笑わないでね)彼がタイムリーブ出来る能力を持っているという記憶にすり替わっていた。

どうしてそうなったのか、聞かないで欲しい。ともかくわたしは読み始めて暫くしてから時系列表を作っていた。ラストはわたしが推理する。そういう自負のもとにである。伊坂幸太郎には、いつも時間軸ずらしで騙されてきた(ストーリーテラーとして魅了されてきた)という記憶があるので、ラストを予測しようとしたのである。

先走って言ってしまえば、既に「ホワイトラビット」を読了の皆さんは「惜しいなあ」と思っていることだろう。「よく頑張ったよ、でも意味なかったよね」とかね。

「おいおい、はやく物語そのものへの感想を書けよ」
と貴方は思っているかもしれない。
いやこういう回り道、「無駄なところが物語を豊かにしている」と、「物語そのもの」の中で誰かが言っているんですよ。

「でも、お前、そうやって本来のレビューを誤魔化して終わらす気だろ?」
ギク。
でも、罪を犯したことなんてない、と言い切れる人間はむしろ、嘘だ!
この小説の面白さは、読んでみなくちゃわからない。
‥‥だから、これで終わらせてください。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: は行 フィクション
感想投稿日 : 2020年11月6日
読了日 : 2020年11月6日
本棚登録日 : 2020年11月6日

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