その数学が戦略を決める (文春文庫 S 3-1)

  • 文藝春秋 (2010年6月10日発売)
3.83
  • (78)
  • (119)
  • (94)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 1526
感想 : 137
3

 Amazonのオススメやgoogleの検索候補など、これまでに入力された膨大な(テラバイトクラスの)データに基づき(リアルタイムで)定量分析を行い予測する手法を絶対計算と称し、専門家などによる分析よりも、高い予測精度を示すことを紹介している。はじめにロバート・パーカーを引き合いに出し、絶対計算がワインの品質をごく初期の段階で正確に予測できることを紹介するなど、インパクトを重視した構成になっている。また、最後に登場する標準偏差とベイズ理論は簡易だけれど日常生活に役立ちそう。

 ただ、紹介されている絶対計算の解析事例は、本書のいう絶対計算というよりも、Excelレベルで解析可能な定量分析がほとんどである気がする。どのレベルから絶対計算と呼ぶかにも依るが、冒頭の定義から考えると正直な表現方法ではない気がする。個人的には好ましくない。

 さらに、絶対計算という訳語にも違和感を覚える。解説にあるような、大量データ解析では味気ないと思ったのかもしれない。しかし、"絶対"とは何か不変の基準に対する評価(絶対零度など)を指すので、そのような基準のない今回のケースではあまり適さないと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2012年1月28日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年1月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする