怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年10月13日発売)
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感想 : 14
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三世というと、ルパン三世を思い出す。
しかし、同じフランスが生んだこちらの三世は、とらえどころがない。

学校の世界史を普通にさらっただけの知識では、叔父のナポレオンの威光で皇帝となり、普仏戦争で捕虜となった残念な皇帝、というイメージくらいか。
もう少し詳しいと、今のパリの街並みを整備した人、という程度。
当時、ヨーロッパ各国にいた”皇帝”像をもって捉えようとすると理解に苦しむ。
かといって共和制寄りかというと、そうでもない。

彼の時代を第二帝政と呼ぶが、”第二”と言っても実質ナポレオン三世の時代。
彼だからこそあのような時代になったのだろう。
帝政ではないが、その後のファシズムもシステム上はさほど差異はない。そのような意味で極めて幸運な時代、ベルエポックだったのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: honto
感想投稿日 : 2020年4月19日
読了日 : 2020年4月12日
本棚登録日 : 2018年10月8日

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