千葉さんによると、フランスの現代哲学で読み解く現代思想は「秩序と逸脱」の「二項対立」を捉えられるかがカギとなる、という。尾崎豊の世代には「盗んだバイクで走り出して逃げ込んだ夜に自由になれた気がした」と言えばピンとくるだろうか。誰しも縛られたくはないのだ。大人は構造主義の名のもとに型にはめてこようとし、若者は脱構築しようともがく訳だ。脱構築の次はポスト脱構築だし、その後にもポストポスト脱構築…。この尾崎豊のような、ジェームズ・ディーンのような若者の反発と葛藤を感じられたらOKだ(本当か?!)。
ところで話は変わるが、僕は息子に小言を言わんとする時に”もう少し解像度上げてくれないと議論にならんな”としょっちゅう感じてる。腹を立ててる。でも論点を分解して丁寧に並べてる内に彼の意識は上の空に。。。話が、互いの思いの歯車が噛み合わない状況に陥る。僕はそんなときにもう少し興味をもって聴いてほしいな、と思っていたが、本書を読んでてこの時の息子の気持ちがわかった気がした。
好き嫌い、興味あるなし、の問題でなく(千葉さんの文章もトークも好きだし興味がある。だから本書も手に取ってる!)上の空に陥ってしまうのだ。千葉さんの言わんとしている概念の高解像度に途中からついて行けなくなって内容が入ってこなくなる場面があった。なんとか「おわりに」で再度、低い解像度に下げてくれたので”そういうことが言いたかったのね”と手をつないでゴールできたが、途中から千葉さんの背中を見失いながら走っていた。
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カテゴリ:
0200経営
- 感想投稿日 : 2022年10月5日
- 読了日 : 2022年10月4日
- 本棚登録日 : 2022年8月24日
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