下町にある工場の社長、無職の少年、銀行勤務のOLの3人を主人公にした犯罪小説。
ある日を境にそれぞれの人生が“最悪”な方向へと転げ落ちてゆき物語の終盤で交錯します。
ここまで落ちるか、というほど救いようのない状態に陥るストーリーは読み手の気持ちを暗くさせます。
特に工場の社長、川谷の気持ちは手に取るように描かれていて、こちらの気持ちも焦燥に駆られます。
全てが悪い方に向かってゆくときの絶望感、何とか立て直そうとする焦り、八方塞で何から手をつけていいのか分からず目まぐるしく変化する考え。
それでも思いやりという気持ちが残っていて再生するラストに救われたような気持ちです。
それにしても、文庫化にあたってどうして上下に分けなかったのかと出版社を責めたくなるほど、分厚く長いお話でした。
あまりに暗いので、一気に読まないと途中で投げ出したくなるからかな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年11月3日
- 読了日 : 2022年11月3日
- 本棚登録日 : 2022年11月3日
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