悪女について (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1983年3月29日発売)
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本棚登録 : 2493
感想 : 306
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一言で言えばとてもとてもとても面白い小説。

富を築いた女性の謎の死後、彼女と関わりのあった27人に取材をし、それがそのまま小説の構成になっていました。

古い本のようですが今読んでも古さを感じさせない、素晴らしい作品。

悪女か悪女じゃないかは読んだ人それぞれが判断すればよいかと思いますが、主人公が直接読者の前に現れないのでなかなか判断するのは難しく、だからこそ逆に面白さが増しているように思います。

富小路公子がしたたかであったのは間違いないけど、自分の目的というか欲にとても素直な人なのでしょう。
ここまで徹底してると同じ女としては、愉快ですらありました。

外見と知性に恵まれていながら環境に恵まれていない女性なら誰しも公子のような部分は持っているはず。

女性にも男性にもおすすめ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月8日
読了日 : 2022年11月8日
本棚登録日 : 2022年11月8日

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