一気に読み終えました。
吉田氏の作品、個人的にとても好きなんだと思います。
この方は、人に説明することができず、自分でも何なのか分からない人間の心の奥底の「何か」を衝くのがとても上手い。
その「何か」はどろりとした黒いものだったり、驚くほど無垢で純粋な衝動だったり、周囲への優しさだったり、社会の常識だったり、そんな色々が混ざり合って生まれた、何だかよく分からないモノ。
それは誰の中にもあると思うのだけど、何となく見せたくないし、見たくない、知らずにいたい。。
そこを衝くから、読んでいて、ズシンと心に響きます。
とある渓谷で起きた、幼児殺害事件。実母が容疑者として浮かぶという、実際に起きた事件を思い出させる始まりですが、物語はその隣家に住む夫婦を中心に進みます。
償うことが償い以外の何かに変わるとき、こんなにも切なく、やるせない感情が生まれるのかと、終盤には涙しました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年10月15日
- 読了日 : 2022年10月15日
- 本棚登録日 : 2022年10月15日
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