空白の叫び 下 (文春文庫 ぬ 1-6)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年6月10日発売)
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感想 : 107
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少年院を出た後の3人の生活と世間の厳しさが描かれた下巻。

恐ろしいと思うのは3人が3人とも、自分の犯した罪について反省の念を持っていないこと。
殺人は罪であることは分かっているけれど自分の犯したそれは、正当であったとすら考えていそうな部分に
人間の恐ろしさを垣間見たような気持ちになりました。

読後感が良い意味で、非常に悪い。
自分の中にも瘴気があるような気分になります。

贖罪とは。
更正とは。
非常に重く、難しいテーマです。

それにしても・・・
ストーリーが妙に謎解き風になっていたけれどそれは個人的に要らなかったと思います。
テーマが変わってしまった?と残念に感じるほど。
“慟哭”でもそうでしたが、どこかしら肩透かしをくらったような気分になるのは自分と貫井氏の相性の悪さなのでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月22日
読了日 : 2022年10月22日
本棚登録日 : 2022年10月22日

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