白痴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1949年1月3日発売)
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本棚登録 : 3527
感想 : 310
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 この本は短編集であり、全ての作品に貞操観念の薄い女性が出てくる。全体的に退廃した雰囲気の中の物語で、戦時中である記述も多い。堕落論の主張を小説化したものと云う様な事を聞いていて読んだのだが、それ程関連性が見つけられなかった。この短編集の全体的な主題と云うものは、男女の関係は肉体的なものでしかないのかと云うことであるように思う。作中で貞操観念に乏しい女性が多数登場するが、その人物に対して明確な非難や賞賛と云ったものは見受けられないし、その善悪に対してはあくまで読者の判断に任せると云った感じである。はっきり云ってよく分からない作品で、『堕落論』に感動した自分にとって、物足りない作品だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年9月19日
読了日 : 2009年10月26日
本棚登録日 : 2010年9月19日

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