なるほどあとがきを見てこの設定の意味が分かった。特に浅見光彦ファンでもなく手にとったのだけど、内田康夫氏は本書を最後にシリーズを終わらせようとした訳でした。
ストーリーは面白かった。ドイツヒットラーが残した遺産が日本にあった。その鍵はなんとフルトベングラーの残した音楽にならない楽譜。70年以上も昔の。
浅見は33歳の設定ながら本書で1歳年をとり、パーティーまでやって過去のヒロイン達をあえて登場させる徹底ぶり。
ヨーロッパ、西日本、そして登戸と使われなくなった武蔵野線が示す遺産のありか。
そして浅見はとんでもない思い役割を背負うようになる。
幾重にも張り巡らされたシナリオに最後は浅見の将来を思い描く後のひき方と最後にふさわしい。
あとがきに、実は後4ストーリーほど準備されている、と書いてあるがこれはどうなったのでしょう?
調べたら(すみません!)113冊目が本書で、「孤道」を未完で絶筆。2018年3月に逝去されています。
そしてその「孤道」は公募で完結。凄まじい作家人生だったのですね。孤道は読みます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
和小説
- 感想投稿日 : 2021年1月2日
- 読了日 : 2020年12月31日
- 本棚登録日 : 2021年1月2日
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