時間飛行士へのささやかな贈物 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-10 ディック傑作集 2)

  • 早川書房 (1991年1月1日発売)
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本棚登録 : 254
感想 : 10
4

短編集の1巻を読んだ時も感じたことだが、この人は設定を練って、無駄な描写無しに纏めるのが上手い。
収録されているのは所謂ディックが得意としている「自分が感じている自分は、本当に自分なのか?」「近親者は、ひょっとして別人に入れ替わっているのではないか?」もののストーリーが中心。
最早SFやショートショートものの定番の「え!?◯◯を知らないんですか!?」→知ってるフリをして話が進む系や、ヴォネガットを彷彿とさせる循環系もあったりと、バラエティーは豊か。
個人的に一番面白かったのは、「電気蟻」。
物語としても、設定も面白いし、終わり方が最高にカッコ良い。
残念賞は「父祖への信仰」かな。
設定=めちゃくちゃ面白い
舞台=西欧資本主義が立場が低い世界
中盤=ワクワクする!
ラスト=…は?
と、見事に「高い城の男」を思い出した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年12月3日
読了日 : 2016年12月3日
本棚登録日 : 2016年12月3日

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