空色バトン (文春文庫 さ 61-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年12月4日発売)
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本棚登録 : 98
感想 : 14
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かなりメゲていて、本を読むのもツライ。でも意地で何か読みたくて、薄さに釣られて購入しました。書籍販売のサイトで「230頁以下の本」なんてカテゴリーがあれば私は飛びつくのに(笑)。

そんな不純な動機で読みはじめた本は、気持ちも乗らないから、2話目までは惰性で。ところが3話目でやっと連作であることに気づき(裏表紙を見ればわかることだったのに)、しかもすごくいい話じゃあないかと思いはじめ、前に戻って登場人物を確かめながら読みました。

40歳になった男女が中学生だった頃。一緒に漫画を描いていた彼女たちの当時のこと。そして彼女たちの息子や娘の今。

すごくメゲていたけれど、もしかするとここに出てくる中学生たちの悩みのほうが大きいかもしれない。だって彼女たちはまだ15年かそこらしか生きていない。経験値が少ない分、いろんなことを大きく感じているだろう彼女たち。だったら今の私の悩みなんて、たいしたことない気がしてきました。

読み終わって本を閉じたとき、鼻の奥がツンとして、ありがとうと思った。読書はやはり素晴らしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 既読(2019年)
感想投稿日 : 2019年3月14日
読了日 : 2019年3月14日
本棚登録日 : 2019年3月14日

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