沈みゆく大国 アメリカ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2014年11月14日発売)
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 主張はよく分かったが、オバマケアを評価する側の意見も聞いてみたくなった。マイケル・ムーアもオバマケアを称賛したそうだ。
 マイナス面が多くあることは分かったのだが、以前より良くなった面はないのか?

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 著者は、オバマ・ケアの問題点を指摘する。

 アメリカでは年間150万人の国民が自己破産者となる。自己破産理由のトップは医療費。

 アメリカには日本のような「国民界保険制度」がない。
 医療業界でも、市場原理が支配するため、薬も医療費もどんどん値上がりし、一度の病気で多額の借金を抱えたり破産するケースが珍しくない。

 世界最先端の医療技術を誇りながら、アメリカでは、毎年4万5000人が、適切な治療を受けられずに亡くなってゆく。

 労働者は雇用主を通じて民間保険に加入するが、利益をあげたい保険会社があれこれ難癖をつけ、保険金給付をしぶったり、必要な治療を拒否するケースが多い。
 医療破産者の8割は保険加入者が占める。

 日本の国民皆保険制度は、WHOが絶賛し、世界40か国が導入する制度。日本が持つ数少ない宝ものの一つだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治
感想投稿日 : 2015年7月28日
読了日 : 2015年7月28日
本棚登録日 : 2015年7月28日

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