法と立法と自由II ハイエク全集 1-9 【新版】

  • 春秋社 (2008年1月1日発売)
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●未読
◎「世界金融崩壊七つの罪」p.147で紹介。
p.145 【「頭のなかだけで考えたものを正しいとする実証経済学」〜フリードマンは変動相場制に切り替えれば、国際収支の不均衡が解消されると信じていたが、これがまったく達成されなかったことは、歴史が示す通り。しかも、輸出に依存しえいる開発途上国にとって為替の激しい変動は耐えられるものではない。そこでこうした国々はドルに為替を固定する「ドル・ペッグ制」や、ドルを中心にして他の通貨も反映させる「通貨バスケット制」などで切り抜けてきたのである。さらに、フリードマンが提案した「教育バウチャー制度」(現金引換え件による補助金制度)などは、成功した例が殆んど無い。
★欧米語での「実証的」(ポジティブ)は、時には「経験的」という意味ではなく、逆に「頭の中だけで考えた」という意味になってしまうことに注意しなくてはならない。例えば法学ではハンス・ケルゼンの「法実証主義」が有名だが、ケルゼン法学は現実から法体系を引き出すのではなく、論理の整合性から現実に適用すべき法体系を引き出す。これに対しては、他でもないハイエク(フリードマンを破門した師匠)が激しく批判している。

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カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2009年7月30日
本棚登録日 : 2009年7月30日

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