S&Mシリーズ2作目。
今回読み返してみて思ったのが、
この作品の影響を無意識に受けていたんだ
ということ。
人を待たせるのは人の時間を奪うこと、
問題を解くことより出すことの方が難しいこと、
この2点は特に今の私に根付いていて、
犀川先生の受け売りだったことを思い出して
びっくり。
今作も前作同様、
知的な会話を繰り広げていて楽しい。
ただ、今作はいつものコンビS&Mだけでなく
犀川の友人の喜多が出てくる。
この犀川と喜多の会話もまた面白い。
萌絵のときは教師然といった、
どうしても上下の関係を感じさせるけれど、
犀川と喜多は対等で会話が軽い。
会話はかなり知的なのに少し少年っぽさすら感じる。
それが新鮮でより楽しめた。
印象的な台詞は
「最も役に立たないということが、
数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。」
の部分。
学生の頃、なんでこんな無駄なこと学ぶんだろうと
考えていた自分が、ちょっと救われた感じ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年12月8日
- 読了日 : 2023年12月3日
- 本棚登録日 : 2023年12月3日
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