1フット・イン・ザ・テクニック
簡単にいえば「断る自由」を奪うテクニックです。
これは知っているのか知らないのか自然と使っている人もいるのではないでしょうか。
最初に小さな要求を言ってそれを相手が飲んだらすかさず大きな要求まで飲ましてしまうテクニックです。
→ 人間は最初の依頼に対しては自由である。その依頼を断ることも、受け入れることも、あるいは保留にしておくこともできる。まさに、どのような選択もできるのである。しかし、いったん最初の依頼を受け入れたが最後、二番目の依頼からはもはやあなたの自由は奪われている。最初の依頼に拘束され始めるからである。最初の依頼を受け入れたあなたは、二番目の依頼に対してある種の「逆らいがたい強制力」を感じ、その力の前に屈服することになる。その強制力は、実に巧妙にあなたの心の中に忍び込み、あなたの自由を奪うのである。
→ 相手にやられたとき:「それとこれとは別」
2ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
最初に聞き入られないような大きな要求を言って相手が断ったら次に実は最初に目的とする最初に言った要求よりも小さな要求を飲ませると言うもので
これは相手に最初に「断ってしまった」とわざと思わせて罪悪感を味あわせて、その後に自分の要求を飲ませるテクニックです。
→人間はそれがたとえどのような法外な要求であっても「断る」とかならずなにがしかの「罪悪感」を抱いてしまう。理屈ではない。罪悪感を感じる必要はまったくなくとも、自動的にそうなってしまうのだ。だから、一度断ったあとにまた何かを頼まれると、「今度はOKしなければ」との大きなプレッシャーにさらされる。「すでに一回断ってしまった。だから、もし次の依頼がなされたら、それに応じなければならない」という義務感だ。人間は断り続けることはできない。たとえ数回ぐらいは断ることに成功しても、その都度罪悪感が高められるから、これほど不快なことはない。「こんなに嫌な気分になるのなら、いっそ譲歩して相手に気に入られたほうが・・・」と考えるのが人間の心理なのだ。
→ 相手にやられたとき:「罪悪感を感じない」この一言に尽きる
3ロー・ボール・テクニック
最初に相手が受け入られやすそうな条件を提示して、その後に目的とした要求を飲ませると言うもの。
1によく似ていますが1と違うのは3は頼みごと自体は変わらない。ただ、予想外の事態により、結局は相手にとってまったく得といえない要求を飲ませてしまう。情報の小出し。
・「心理学の実験に参加してくれないだろうか」→「OK」→「では朝七時に」
→ 人はいったんよじ登った木から下りるのにためらいを感じる。それは、自分が既に行ってしまったことが間違いであったと認めることへの恥ずかしさや悔しさ、また一からやり直すことが面倒であるということなどからきている。よって、このままいけば、自分にとって不利な条件になることはわかっていても、なかなか後戻りできないのである。
日常への応用:手順1「最終的な目標を設定」→手順2「ローボールを投げる」→手順3「ホントのことを言う」
→相手にやられたとき:「ローボールを投げられる前の自分に戻ることが必要」→それだったらちょっと考えさせてよ。
【成功率】ローボール>ドアインザフェイス>フットインザテクニック
これらのテクは、騙すため、相手に自分の(無茶な)要求をのませるため、に使うよりも、そういうやつらの標的になった時に「負けない」ために身につけてその時にのみ使うとしたほうが、幸せな人生が遅れるだろう。
小手先のツールで自分の感情が揺さぶられてしまうのは、自分のスキル不足以外の何物でもないのだから。
- 感想投稿日 : 2011年7月7日
- 読了日 : 2011年7月7日
- 本棚登録日 : 2011年7月7日
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