「分刻みのアリバイ崩し」で有名な作品。この精緻なタイムテーブルを引いたのはひとえに◯◯のため…って、すごい逆説、すごい皮肉(笑) さすがマヤタン。
ここまで非の打ち所のない本格ミステリの手法でやられれば、そりゃぐうの音も出ないというものでしょう。
閉じられた家系とか、いわくありげなキャラクターの名付けとか、みんなが「よかれと思って…」やったことがことごとく裏目に出たりとか、うじうじしてる烏有さんとか、名探偵・木更津とか香月くんとか、そのあたりもいつものマヤタン。好き嫌いは分かれるでしょうが私は大好きですね。
「こんな家あるか」とか「こんな奴いるか」とか「こんな真似不可能」とか、新本格の他の方たちにも増して、マヤタンには言ってはいけない。野暮の極致。
21世紀のアンチ・ミステリの正統後継者に対しては、ただ愛を捧げることが許されるのみなのであります——カーテンフォール。
2013/12/3再読
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
麻耶雄嵩
- 感想投稿日 : 2013年12月3日
- 読了日 : 2013年12月3日
- 本棚登録日 : 2013年12月3日
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