芦田愛菜さんの「まなの本棚」に感化され、拝読しました。
事前のイメージとは違い、内容は深くともさらっと読みやすく、ページ数も少ない為物足りないほどすぐ読み終わってしまいました。
森鴎外の緻密で繊細な描写は、やはり文豪らしく秀逸でした。特に情景描写の美しさに惹かれました。
「その日は暮れ方から風がやんで、空一面をおおった薄い雲が、月の輪郭をかすませ、ようよう近寄って来る夏の温かさが、両岸の土からも、川床の土からも、もやになって立ちのぼるかと思われる夜であった」
安楽死について、罪について、読了後も引きずるように思いを巡らせずにはいられません。
善悪の区別がつかないような展開に、幾度となく心が揺さぶられる作品。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年12月23日
- 読了日 : 2021年12月23日
- 本棚登録日 : 2021年12月23日
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