常野物語シリーズ第3段。
蒲公英草紙のような、ほんわかする読後感はなく、"で、どうなるんだろう?"というモヤモヤ感が残ったが、それが恩田ワールドだなのかもしれない。
常野ゆかりの人たちのなかでも、特に強い力を持っている両親から、その力を受け継いだ(まだその力は開花しきっていないが)時子の前に、洗濯屋の火浦が現れる。
時子も初めは火裏が敵なのか味方なのか計りかねていたが、いつの間にか二人は婚約していた。が、火裏の方は、時子とその両親を洗濯したことのアフターサービスとして結婚を決めたという。
人の真意を探りながら生きるのは、怖いし寂しい。
最後に時子の父が、裏返したり、裏返されたりすることが続いた結果、かなり均一化が進み、もはやそういうことをする必要がなくなってきたと言いながら、火裏と時子の子どもが生まれたら、新たなゲームプレイヤーになるかもしれないと言った台詞も意味深。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年1月23日
- 読了日 : 2022年1月23日
- 本棚登録日 : 2022年1月23日
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