作家の「わたし」は、上野公園で知り合った喜和子さんに図書館が主人公の小説を書くように頼まれる。自由な雰囲気の喜和子さんだったが、実は幼少期から戦後の混乱や古いしきたりの家族に縛られており、そこから脱出したのは、娘が18歳になってからだった。
帝国図書館の歴史と喜和子さんを巡るストーリーが交差しながら描かれる、なんだか不思議な物語。戦争や男尊女卑がまかりとおる社会、その時代の人たちの幸せって何だろうなど、いろいろ考えさせられた。
喜和子さんの最期の希望どおり、東京湾に散骨してもらえてよかったと思わずにはいられない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年12月7日
- 読了日 : 2023年12月6日
- 本棚登録日 : 2023年12月7日
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