中年の危機に直面したグルメの英国人が、家族でインドに旅行しヨガに目覚めるまで。
美食と酒に取りつかれたような旅行が、妻の強権発動によりスピリチュアルに突き進んでいく。英国風の?ユーモアをまぶした軽妙な語り口の合間に、自己嫌悪や違和感、本人の精神的閉塞が見え隠れし、実際のところそこそこ病んでいたのだろうと思わされる。第13章に描かれる体験の悲惨さ。それを見透かす妻の偉大さ。
・「オレたちが考えること、すること、願うこと、話すことは、すべてふたつの基本のどっちかが動機になってるんだよ。生殖の必要性か、自分が死ぬという必然性が怖くて気を紛らせる必要性か」…「なるほど、オマエみたいにまるで信仰心がないと人生は空っぽになるんだろうが、オマエ好みの気晴らしには欠陥があるよ(中略)オマエが気晴らしに選んだものは近いうちにオマエを殺しかねないってことだ」(p8-9)
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- 感想投稿日 : 2017年11月5日
- 読了日 : 2017年11月5日
- 本棚登録日 : 2017年11月5日
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