計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話

著者 :
  • 河出書房新社 (2011年10月14日発売)
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本棚登録 : 994
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ひとりの若者が、無謀にも(!)出版社を作る、と決めて
そしてどうなるか…という物語性もしっかりあるのが
読者を夢中にさせる理由のひとつ。

だれもが心のどこかで「どうして、もっとシンプルにできないのかなぁ」と
感じていることをしっかり体現していて、読んでいてなんともいえず気持ち良いのである。
なぜって、すっかり常識に縛られてしまっている「大人」は
「こんがらがったものをシンプルにするっていうのが一番メンドクサイのだよね」と わかっちゃってるからだ。

「計画」と「無計画」のあいだにこそ、「自由」がある。
「計画線」を引くことで得ることができるのは、お金や物資など目に見えるもの。
「無計画線」を乗り越えてしまっては、ただの暴走でしかない。
その間にこそ自由がある。

読後、なんともいえず明るくすがすがしい気持になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2011年12月20日
読了日 : 2011年12月20日
本棚登録日 : 2011年12月20日

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