世界戦争犯罪事典

  • 文藝春秋 (2002年8月8日発売)
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感想 : 2
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日独同時進行で編纂された戦争記録。ドイツ側がドイツの被害をたくさん盛り込み、逆にアウシュビッツなどを外したというエピソードが興味深い(日本版には日本の著者が著して盛り込んでいる)。我々には馴染みが薄い、敗退するなかでドイツ人が復讐の対象となり被害者になっていく事案もちゃんと盛り込まれており有益。例えば普段は被害者として語られるチェコやポーランドも、ドイツ人を虐待・虐殺していくとか。
右だろうが左だろうがすべからく平和を追求し続ける意義を再認識。

序文より
20世紀は「戦争と虐殺の世紀だった」と言われている。…すでに我々が踏み入っている21世紀が同じ愚行を繰り返すのか、歴史の教訓と知恵を活かして平和と協調の方向へ進むのか、予断を許さない。いずれにせよ、現時点で世界は核兵器を頂点とするハイテク戦争、民族・宗教を軸とする複合紛争、新型の国際テロリズムなどの脅威と向き合い、有効な抑止策を見いだせないまま苦悶している。
・・・こうした問題意識を背景に・・・近現代の戦争犯罪群を整理し、記録しようとする意図から本辞典は生まれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2014年12月13日
読了日 : 2014年12月13日
本棚登録日 : 2013年7月1日

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