騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

著者 :
  • 新潮社 (2017年2月24日発売)
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騎士団長殺し
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穏やかな気持ち
ひっそりと雨が降っているような気持ち
になりました。
*
↓文中にもあり。
✒︎彼らのことを思うとき、私は貯水池の広い水面に降りしきる雨を眺めているときのような、どこまでもひっそりとした気持ちになることができる。わたしの心の中でその雨が降り止むことはない。✒︎
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感情の表現や物事の表現が、とても細やかで、その世界へ入り込んでいけるのですが、単行本だから家で寝る前にしか読まなかったので、長い長い時間をかけて読みました。
私はいつも5冊くらいの本を同時進行で読むんですが、これは本当に長かった。
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その長い間、ずっと騎士団長が私の頭の中にいました。主人公ではなく騎士団長でした。
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騎士団長が
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イデアが?
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メタファーが?
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なぜ?
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日常に近くて、
でも遠い
不思議な感覚と世界。
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いつまでも鈴の音が聞こえている気がします。
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*****favorite sentence*****
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✒︎私たちは自分たちが手にしているものではなく、またこれから手にしようとしているものでもなく、むしろ失ってきたもの、今は手にしていないものによって前に動かされているのだ。✒︎
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✒︎恐怖や猜疑心は、暗闇の中にいくつもの架空の目を作り出す。✒︎
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✒︎おれがきついと感じるのは、父親が有名な絵描きとしてではなく、ひとりの生身の人間として、息子であるおれに対して、最後まで心を開いてくれなかったことだ。✒︎
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*****
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信じていることを
信じているみちを
信じていこう、
それがイデアでもメタファーでも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月12日
読了日 : 2023年1月10日
本棚登録日 : 2023年1月10日

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