評論家入門: 清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書 247)

著者 :
  • 平凡社 (2004年11月1日発売)
2.94
  • (3)
  • (6)
  • (34)
  • (5)
  • (5)
本棚登録 : 161
感想 : 16
3

「入門」なんて書いてありますが、あんまり実用的な役には立ちません。つーか、小谷野敦ですから。まともに「どうやったら評論家になれますか」なんてこと書いてあると期待するほうが間違いでしょ。『もてない男』のあふれるルサンチマンがここでもちゃんと炸裂してるので、あの鬱屈芸が楽しめる人にとっては買い。
 評論家というのは、どうにもあんまりおいしい仕事じゃないらしい、ってことはわかります。「清貧でもいいからもの書きになりたい人に」とか「儲からなくても、論争で神経が参っても、『書いて生きていきたい』人へ!」とか、本書の帯にもエクスキューズがいっぱいです。それは小谷野さん、あなたのことですね、とズバリ指摘しても、その通りですと開き直られてしまうのでやめましょう。言い訳多い人生を、楽しむための「ひねくれ方」を学ぶべきです。
 ファンにとっては、気持ちの良い一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年3月30日
読了日 : 2006年3月30日
本棚登録日 : 2013年5月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする