平家物語 犬王の巻

著者 :
  • 河出書房新社 (2017年5月26日発売)
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本棚登録 : 356
感想 : 48
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好きな脚本家、監督の手によって映像化されるとのことで、待ちきれず原作を手に取りました。
一気に読んでしまった、自分の脳内に語り部が宿ったかのように、リズムよく物語が進んでいく。
設定がとてもよい、犬王と友名(のちの友一、友有)の生い立ちや出会いは事柄起こるべくして起こったといえる。すべてに意味がある筋書きに、ものすごい構成力を感じる…。
犬王が美を得て、それ「魚名」がいっきに吟い上げていく後半はほんとうに面白かった。そして権力者足利家によってその言葉が封じられていくさまに、いまの日本の姿が重なった。芸能(芸術)や伝聞の類がいまの時代まで語り継ぐことのできなかった派生の歴史は幾数かしれず、消えていったほんとうの真実への供養になるといい。
(野木さんがこの作品に選ばれた orもしくは選んだ?理由がなんとなくわかる気がする。)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年8月20日
読了日 : 2019年8月20日
本棚登録日 : 2019年8月11日

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