カミーユ・ヴェルーヴェン警部3部作の最終巻、作品単体として見れば、衝撃度、構成、など前2作には及ぶまいと思うものの、3部作をまとめるにふさわしい出来栄えであり、まさに「傷だらけ」となっていく主人公カミーユに感情移入しつつ読了した。
作者ピエール・ルメートルには最初から3部作の構成があったのだろう、登場人物の配置、経過年数による人物の変化、関わり合いの変化など、緻密な計算の上に成り立っており、3部作を読み進めてきた読者には、いっそううなずける構成となっている。
これでカミーユ班にはもう会えないと思うと寂しい、しかしながら一人がガンで他界していたという前提では、今後のシリーズ継続はないという作者の意図を感じた。
また別での次回作に多いに期待したい。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
海外作品
- 感想投稿日 : 2018年3月23日
- 本棚登録日 : 2018年2月15日
みんなの感想をみる