「小鳥の小父さんが死んだ時、」から始まる物語。
お兄さんの言葉を理解できるのは、この世に小鳥の小父さんただ一人。
両親が亡くなった後、二人きりでつましく暮らす兄弟。
毎週水曜日にはポーポー(キャンディー)を買いに行くとか、お昼休みには職場から家に戻ってお兄さんとサンドイッチとスープの昼食をとるとか、夜には二人でラジオを聴くとか‥‥二人きりの小さな世界で、いつもと同じことを変わらずやり続ける、その小さな幸せ。
他人から見たら取るに足らないつまらない生活かもしれないけれど、同じことの繰り返しであるからこその小さくて静かな、いつまでも変わらぬことを願いたくなるそんな幸せ。
そんな生活の中に、兄弟それぞれの恋模様などもあって、なんだか透き通ってキラキラしている、だけど壊れやすいガラスのような物語だな、と思いました。
だけど、「小鳥の小父さんが死んだ時、」から読み始めた読者はこの後、どうなるかが分かっているわけで、常に物哀しさと共にあるキラキラなのです。
最後のページを読み終わったら、また最初のページに戻りたくなりました。小鳥の小父さんの腕の中にいた小鳥の様子をもう一度読みたくなりました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年2月15日
- 読了日 : 2022年2月15日
- 本棚登録日 : 2022年2月15日
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コメント 4件
みどりのハイソックスさんのコメント
2022/02/16
こっとんさんのコメント
2022/02/16
みどりのハイソックスさんのコメント
2022/02/17
こっとんさんのコメント
2022/02/18