ひっそりとした物語たちの連作短篇集だったと思います。
誰にも理解してもらえそうもない気持ちだから、誰にも話したことがなくて、ひっそりと自分の中だけに押し留めておいたことを呟いたような、そんな物語たちだったような気がします。
連作といっても、前の物語の登場人物がまた出てくるというわけでもなく、ただすれ違ったくらいの人が次の主人公になっていて、最後まで読むとまーるく繋がっているので、あぁ、自分とは全く関係ないところでも生活が営まれているんだなぁ、そして知らないところでこんなふうに繋がっているんだなぁという思いになります。
こんなことを思っているのは自分だけ?と感じているけれど、遠くの誰かが同じようなことを思っているのかも、と思うと少し気持ちが救われます。
そんな一人一人の『小さな世界』がたくさんあるってことかな?
私が一番好きだったのは『魔王の帰還』
この短篇集の中で一つだけ異質な物語だったと思います。久しぶりに泣きながら爆笑しました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月7日
- 読了日 : 2021年10月7日
- 本棚登録日 : 2021年10月7日
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