読みながらずっとモゾモゾ感が止まらなかった。
高校一年生の1学期。クラスのどのグループにも属していない長谷川と、にな川。
二人は似ているようで違う。
人に無理して合わせるくらいなら一人でいた方がいいと思っている長谷川に対し、推しに夢中になるあまり、周りはどうでもいい、にな川。
にな川に比べたら自分の方がマシだと思いつつも、一人でいる時間に自分なりの言い訳めいた理由を心の中でつぶやいている長谷川がイタイ。
自分の内側ばかり見ている‥‥存在を消す努力をしているくせに完全には消えたくない‥‥縄跳びの八の字でうまく縄に入れないようにうまく会話に入れない‥‥
これは高校生の話だけど、イタイ長谷川に共感できてしまう大人の私がいる。
大人になった私は場数を踏むことで要領が良くなっただけだし、目の前の世界が全てではないから思い詰める必要はない、と自分を納得させることができているだけ。
「認めてほしい、許してほしい」
「人にしてほしいことばっかりなんだ。やってあげたいことなんか何一つ思い浮かばないくせに」
高校生のお話、それも若い人が書いたお話。共感できるかなぁ?なんて思いながら読み始めたこの物語に、大人の私がこんなに共感している。それに対してモゾモゾしてしまいます。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月10日
- 読了日 : 2022年1月10日
- 本棚登録日 : 2022年1月10日
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