夏のくらくらする蜃気楼みたいな本だった。
ゆらゆらして掴めそうで掴めない真実。
真実を知りたくて読み進めているのに、わからなくても神秘的でいいな、という気もしてくる。
人の揺蕩う時間をゆったりとゆったりと噛み締めていく新しい感覚のミステリーだった。
痛快な推理や動かぬ証拠とかはない。
帯には「全てを疑え!」と書いてあった。
わたしはそんな気にはならなかった。
むしろ「信じるよ」という穏やかな気持ちで読了した。
私は文庫で読んだけれど、巻末に装丁デザインの話があって、素敵なこだわりだった。
単行本でもう一度同じ話を読んでみたくなった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年2月3日
- 読了日 : 2024年2月3日
- 本棚登録日 : 2023年11月4日
みんなの感想をみる