闇に香る嘘 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2016年8月11日発売)
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感想 : 215
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『私の兄は、本当の兄なのか?』
中国残留孤児を巡るミステリー。

本作の主人公は、69才の村上和久。
41才で全盲となり、やがて妻とも離婚し、一人娘・由香里とも確執があり、一人暮らしを続ける。

そして、孫娘・夏帆の腎臓病で移植手術を必要としたが、自分の腎臓は不適合に...
唯一の望みは、岩手県で老いた母と暮らす、たった1人の兄・竜彦であった。

竜彦は、幼少期に満州で一度生き別れになり、中国残留孤児として、やっと帰国した時は、既に、和久は盲目となった後であった。

そして、夏帆の腎臓病の事を兄に相談するも、臓器提供はおろか、適合検査さえ拒否する態度に、疑惑が目覚める。
『果たして、兄は、本当の兄なのか?』
『もしかして、兄を騙る偽物ではないか?』

そこから、本当の兄と名乗る男からの電話があったり、謎の点字の暗号が送られてきたり、などなど

様々な伏線があり、盲目の主人公の視点から、疑惑が疑惑を生み出す。
誰が嘘をつき、誰が本当の事を言っているのか?
真実の裏に隠された本当の真実とは?

最後の最後に、どんでん返しがありますが、それもこれも、家族の愛情の裏返しなのですね。
エピローグが、希望に満ちたもので良かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月22日
読了日 : 2019年9月22日
本棚登録日 : 2019年9月16日

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