何から書こうかな。
小説の話ではなく、私の話なのですが、実は最近、入院していた母が、一人暮らしの家には戻らず、ホームに入居しました。
誰もいなくなった実家に母の荷物を取りに行くと、ひんやりと薄暗いその家の中に母と亡くなった父が作っていた温かい空気と笑い声を感じることが出来ました。
母はその小さな家で幸せでした。父とかつては私と肩を寄せ合ってささやかに暮らし、孫たちが生まれるとよく預かって面倒を見てくれました。
病気で倒れる前から、傍から見て一人暮らしは限界であったのに意地を張って頑として一人で暮らしていた母の守りたかったものは、この空気だったのだなと思いました。
そう思うと塵ひとつ愛おしくなりました。
よしもとばななさんの書きたかったのはこれに似た空気感だったと思います。
母は病院で自分の状況がいまいちはっきり分からず、「家に帰る」とまだ意地を張っていましたが、病院のスタッフの皆さんに寄り添われ、諭されて、ホームに入ることを納得してくれました。
母は80歳を超えてなお、更に大人になってくれたのです。
ありがとう。そして、ごめんね、お母さん。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年3月31日
- 読了日 : 2022年3月31日
- 本棚登録日 : 2022年3月31日
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コメント 2件
yyさんのコメント
2022/04/01
Macomi55さんのコメント
2022/04/02