桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう 天気と日本史 (メディアファクトリー新書 38)

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  • メディアファクトリー (2011年10月28日発売)
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桶狭間の戦いの章を読んでいるあたりでは、まだ、「歴史上の大きな事件のときに、運よく(運悪く?)お天気が急変するなんて、なんて偶然!」くらいにしか思ってなかったのだけど、だんだん読み進めていくうちに、「気象条件が特異だったからこそ、ある1つの戦いが、歴史を揺るがす、運命を左右する戦いに変わっていくのだ」という確信に変わった。そして、そうであるならば、他にももっともっとたくさん、その時の気象条件がその後の運命を分けたという歴史上の事件があるだろう。ぜひ続編を書いてもらいたいと思った。
ただ、ちょっと気になったのは、反証はとても細かく丁寧なのだけど、ご自身の説を補強するような説などには、ちょっと証拠として採用するのに甘さがあるかなあ・・・と感じられること。でもまあ、この本は論文集で無くて新書であり、ページ数も限られているし、原稿には書いてあったのに編集でバッサリ切られている可能性もあるのかも。
とにかく、こういう視点からの歴史上の出来事の検証はとても楽しかった。私は理科音痴で気象分野のいろいろな原理も実はよくわからないのだけど、それでも視点が新鮮だったから本当に面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: enjoy reading
感想投稿日 : 2014年11月13日
読了日 : 2014年11月13日
本棚登録日 : 2014年11月13日

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