芸術と科学のあいだ

著者 :
  • 木楽舎 (2015年11月30日発売)
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感想 : 47

間借り本屋トカクで取り扱っている本の紹介
芸術と科学、文系と理系、2つは離れているようにみえるのは、日本の教育制度がそう切ったから。日本以外に、わざわざ相反するものとして分けた国などない。
そんな簡単な話じゃないのに。

本書は別に、それに対する意見とか批評とかをする本ではないということは申し添えておく(冒頭にちくり、といっているだけ)。

P4引用
『常々感じることがある。日本の教育制度が、かなり早い段階で 中学と高校とかのレベルで文系向き、理系向きという区分を作って 仕分けをしてしまっていることは大いなる問題だ(略)
大学で教えていると、文系学部の学生の中に、いわゆる理系的セン スが優れている人をたくさん見かける。(略)
キーウイフルーツの断面を見て、その外のかたちや 種の配列 数から、それが縦方向に切られているか、横方向に切られ ているか、あるいは斜め方向からか、斜めだとすると、キーウイのと のあたりが切られたものなのか、ばっとイメージできるセンス。これ は科学で要求される大切なセンスだ。でも数学や物理の計算が得意と いうのとはまた違って、どちらかといえばアーティスティックなセン スである。 美を求めるセンスといってもいいかもしれない。』

芸術面は、とりあえず著者のひとがフェメールオタクということはわかった(画家のフェメールさんの話がよくでてくるなーと思ったら自身で明言されていた)。
科学のほうは、一番の衝撃がアンモナイトの殻の構造について。
は?あれ、貝みたいに単なる模様じゃなかったの?
オウム貝と同じじゃないの?
とおもっていま調べたらオウム貝もあれ殻の全部が居住区じゃないの?
まだまだはじめてしることばかりだ。

P143 引用
『状態のよいアンモナイトの化石をスパッと二つに割ると、 その断面には数学的な規則性をもって隔壁が並び、 小部屋が 連続しているさまを見ることができる。このことからアンモ ナイトは貝ではなく、イカのような身体をらせんの一番外側 の部屋にひそめ、あとの小部屋は空気室として浮力を得るた めに使って海中遊泳していたとされる。その証拠に隔壁に は液体と気体を交換できる細い通路が開いている。』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月11日
読了日 : 2022年8月11日
本棚登録日 : 2022年3月21日

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