怖い話には惹かれるが、読んだ後トイレやお風呂が怖くなる人は電灯をつけて
昼間に読みましょう。
怖い話には惹かれるし、読んだあともひょっとしたら怖い体験に自分も出会えたらなー、
といったタイプの向こう見ずな人は、深夜に枕元の電気スタンドだけで読みましょう。
寝返りを打とうと反対側を向いた瞬間に、この表紙の女の子が笑って
あなたを覗き込んでいるかもしれませんよ。
そんな無駄話はさておいて、本当に買ってよかったホラー本の一つでした。
読む端からゾクゾクとしたものが背筋を駆け上がります。
背後や頭上が妙に気になり、物語がおぞましい展開を見せるたび、
顔を引きつらせ、身体をこわばらせて、それでもページをめくる手は
止めることができません。
ストーリーの中身は、あくまでもよくある「怖い話」。
ネットで既に飽和状態の傾向すらある、ごくごくよくあるような怖い話です。
しかし、それをどのような文章で表現するかによって、ここまで恐怖の感じ方は
変わるのだなと舌を巻きました。
正体不明の存在が正体不明なまま、『何かわからないが怖い』で終わる点も
素晴らしいと思います。
主人公には怖い目に遭うような理由は何もない。
ただ理不尽に、何のいわれもなく、おぞましいものがヒタヒタと忍び寄る。
ホラー(特に日本的なじわ怖)が好きな人が、本当に求めている怖さの要素を
兼ね備えた本だと思います。
オススメは、『後ろ小路の町家』
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2013年5月16日
- 読了日 : 2013年5月16日
- 本棚登録日 : 2013年5月12日
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