ふる (河出文庫 に 9-1)

著者 :
  • 河出書房新社 (2015年11月6日発売)
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本棚登録 : 2336
感想 : 212
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わかったような、わからないような。ただ確実に言えることは、生きている「今」が奇跡ということ。
花しすは、過去や過去の自分を忘れたくなくて、それを振り返ることでしか安心して毎日を生きていかれなかったのかもしれない。自分は過去も今も同じキャラクターの人間であって、未来の自分も変わらずそうしていくべきなのだと確証するためにレコーダーは必要だった。だけど、「今」のいのちは「今」そのときにしかない奇跡であって、どんなかたちであれ祝福されているのだと花しすは気づく。忘れて、忘れられて、それでも生きている「今」の自分が一番に祝福されている。そう思えて初めて人は愛に素直になれるしもっと自由に生きられるのだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年4月28日
読了日 : 2016年4月28日
本棚登録日 : 2016年4月28日

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