あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2010年12月10日発売)
3.37
  • (15)
  • (60)
  • (82)
  • (15)
  • (5)
本棚登録 : 532
感想 : 77
4

脳科学の権威でもある筆者が、自らの実体験や奥様(のほうが有名かも。脳科学おばあちゃんとして様々な子育て法を発案されているカヨ子おばあちゃん!)の経験をもとに、実験や研究の裏付けをのせることで、脳の構造や動きについて、とてもわかりやすい平易な文章で記載されている本です。

最近、自分の記憶力が自分でも脅威に感じるほどに落ちていることと、続けようと思っていることがどうしても続けられない意思の弱さにも辟易していて、気持ちやモチベーションはとても高いに続けられない/覚えられない理由は何なのだろうと思って探していたときにこの本に出会いました。

だいぶ前から読んでいる脳科学系の文献を平易な内容で書きなおしてくれているので、学ぶというより復習下感じでしたが、中でも近年何名もの脳科学者が言っている下記の3点があらためて脳にとって大切であることを再認識しました。

・7時間睡眠(6時間半以上7時間半未満)
・運動週間(1日30分程度)
・健康的な食事(習慣)

当たり前といえば当たり前のことかもしれませんが、7時間睡眠は現在の脳科学では唯一科学的に証明された黄金の睡眠時間であり、運動週間は運動することによって肉体的健康ではなく脳の健康にも重大な影響を及ぼすこと、そして食事についてはバリエーションや量のコントロールがこれもまた脳に大きな影響を及ぼすことがわかっています。

食べ過ぎず、食べる時間も内容も意識しつつ、毎日30分でいいから運動をして、とにかく毎日7時間寝る。
これが体にとっても脳にとってもよいことであることに間違いありません。
睡眠時間は7時間前後がベストで、多くても少なくてもNG。腹7分目にすると寿命が伸び、運動は睡眠の質を高めるだけでなく、運動そのものが前頭前野を鍛えることにつながる。まさに昔から言われている健康3種の神器は、現代においてもその効果が証明されたのです。

またこの本にはストレスが脳に与える決定的なダメージについての研究にも触れており、どうやればストレス解消になるのか、逆にどんな人がストレスに強い/弱いのかについてもかなり勉強になりました。
とりあえず男はストレスを感じたら日記やブログにぶつけたり趣味に没頭したりして、14日間以上同じストレスが続かないようにするといいようです。ただ自分はもともと無駄に自尊心が強いのでストレスには強いようですが(^^)またストレスに強い人はお金は持ってなくても人間関係が良好である人が最強なんだそうです。要するに家族や友人や同僚との関係をよりよくなるよう努めている人は鬱や自暴自棄になりにくいということです。
そういう意味では、日本人のノミニケーションであったり季節ごとの贈り物や手紙の習慣というのはとても理にかなっているといえます。

ともかくも、やはり睡眠は7時間必要だし、寝る前にジョグもしなきゃ!
早起きについては記載がなかったけど、それはまた別の本でクリアします。

以下、ピックアップ


<b>第一章 「脳科学的に正しい睡眠」に変えれば、けだるい朝が一気に変わってくる</b>

<u>目を開けていても一瞬にして睡眠状態になれる?(p33)</u>

・起きている状態から寝ている状態への転換は、段階的なものでは
 なく瞬間的なもの。ある実験で、目隠しをした被験者に光を当てた
 瞬間にボタンをおしてもらうという行動をしてもらった際、
 眠りについた瞬間に押されなくなり、段階的に反応が遅れる
 といったことはみられなかった。

<u>「睡眠を利用した勉強法」がある(p37)</u>

・試験勉強だけでなく、手紙を書いたりあるテーマについて考えたり、
 といったことも寝る前にアイディアを出しておくと、朝起きたときには
 うまく整理して書けるようになったり、考えがまとまりやすく
 なったりするのです。
 「寝る前にどこまでやったかな」と思い出しながら考えることで、
 一時的に保存した記憶を思い出す際に活用する脳内の
 「ワーキング・メモリー」を鍛えることにもなります。
 その場合、勉強や考え事をしたあと、TVをみるなどの別の情報を
 入れずに寝ることが重要。
 記憶した情報が新しいうちにすぐ眠ることで、脳にその情報が鮮明に
 記憶されていくのです。

・睡眠による学習(記憶の定着)は、勉強ではなくピアノ、ギター、
 野球などのスポーツにも効く。寝る直前にピアノの演奏をしている
 ビデオを見たり、うまいスポーツ選手のビデオを見たりしても
 効果がある。脳にはミラーニューロンという「マネをする」機能
 があり、就寝前に見た映像を、睡眠中に頭の中に定着させてくれる。

<u>年齢を重ねると、なぜ眠れなくなるのか?(p40)</u>

・普通の人は脳の「下垂体」から「バソプレシン」という抗利尿
 ホルモンが昼よりも夜に多量に分泌され、尿量を少なくするよう
 浸透圧を調整しているが加齢によりこれが少なくなるため夜中に
 トイレに起きてしまって長時間眠れなくなる。
 幼児期は夜にも分泌されにくいのでおねしょが起きる。

<u>睡眠時間4時間以下の人は、肥満率が劇的に高まる(p47)</u>

・食後20〜30分で食欲を抑える「レプチン」というホルモンが
 分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、おなかが
 いっぱいになる。逆に空腹時には胃から「グレリン」という
 ペプチドホルモンが分泌されて視床下部に働き食欲が生まれる。
 これらのレプチンの分泌量が、睡眠5時間の人は8時間の人に
 比べて15.5%も低く、グレリンは14.9%も高いという研究結果が
 出ている。

・平均睡眠時間が7〜9時間の人に比べ、6時間では23%、
 5時間では50%、4時間では73%も肥満になりやすいデータもある。

<u>いつ走ればいいのか?朝か夜か?食前か食後か?(p68)</u>

・ジョギングは夜30分程度やるのがお勧め。
 なぜなら朝はストレス耐性も高くエネルギーが満たされていて
 脳が効率良く使えるので、運動よりも高度な知的生産活動に
 費やしたほうがいいから。

・走るだけでも前頭前野は活性化されるが、走るときは色々なことを
 思い出しながら走ることで、ワーキングメモリーが鍛えられる。
 朝食、仕事、上司からのイヤミや悩み事、新企画のアイディア、
 翌日のスケジュールなどなんでもいい。四季の移ろいに気を留めたり
 五感を働かせながら走るといい。
 仕事の難題で煮詰まったらとにかく走る。
 語学などの勉強しながら走ってもいい。複数のことを同時進行で
 こなす際に前頭前野は鍛えられる。

<b>第二章 50年以上、「朝活」を実践中!早朝からでも脳がイキイキ活性化するクボタ式「朝活」法</b>

<u>脳が「気持ちいい」と感じる目覚め方とは?(p90)</u>

・一年中、同じ時刻に起床することがポイント。
 光による体内時計のリセットがトリガーになるのでエアコン、
 電動カーテン、タイマー電灯などを駆使する。

<u>黄金の朝食は「大豆、みそ汁、カレー」(p105)</u>

・大豆→記憶力向上させるアセチルコリンの合成に欠かせない
 レシチンを多く含む

・カレー→クルクミンに記憶力を高める効果。代謝を上げて脳内への
 血流量を高める効果もある。

<u>パソコンづけの毎日だからこそ、「耳」活用のススメ(p126)</u>

・耳からの情報をもとに頭に像を描くことは、脳内では「聴覚連合野」と
 「前頭前野」の両方を働かせることになるのでお勧め。

・朝ガーデニングの際にラジオを聴く、家に帰って音読をする、
 通勤中に語学の勉強を音だけでやる。

・同様に夜は昼と反対のことをやると同じ効果がある。
 デスクワークの人は夜に走る、など。


<b>第三章 「朝活」だけしてもダメ!「朝〜夜の時間」を支配すれば、46歳からでも生活習慣は変えられる</b>

<u>ストレス解消法は、男女で違う(p138)</u>

・女性の場合はストレスの原因となることを異性に話してはいけない。
 女性は感情的に話したくても男性は論理的にものごとを考えるので役に立たない。

・男性の場合は、「相手より優位に立ちたい」という意識が強いので
 他人に弱みを見せることを好まない傾向がある。
 従って日記やブログに嫌なことを吐き出したり、趣味に没頭するなどして
 不愉快な出来事から思考を離して楽しい気持ちでベッドに入ることを考える。

<u>2009年に発見されたストレスに関する驚くべき事実(p150)</u>

・2009年、ブルース・マキューアンの研究にて、ストレスを2週間以上
 感じ続けると、海馬が損傷して記憶が曖昧になり、扁桃核が過敏
 になるため、ますますストレスの影響を受けやすくなって、前頭前野まで
 壊れ始め、何をするにも意欲がわかなくなると発表された。

・ストレスの原因がわかっているときは、2週間以上続かないよう
 1日も早く取り除くこと。

<u>どんなタイプの人がストレスの影響を最も受けやすいか(p154)</u>

・調査によると社会的経済的な地位が低い人ほど、ストレスによる
 マイナスの影響を受けやすいことが明らかになっている。
 (これはおおかた予想できたこと)

<u>最もストレスに強い人とは?(p157)</u>

・「経済的地位」は低くても「人間関係の満足度」は高く、よりよい方向に
 生活が向かっていると感じられる人たちがストレスに最も強い。

・孤独が免疫機能を弱めるという研究結果もある。

・友人や家族と良好な関係を築けている人の方が前向きな気持ちに
 なりやすく、ストレスに負けづらい

<u>「無力感」を生まないために必要なこと(p160)</u>

・自尊心の低い人(自分に自信がない人)はストレスに弱い

・自分に自尊心が足りないと思っている人は
 「自分の人生は自分でコントロールするのだ」
 と強く思い、自ら外へいろいろと働きかけることが重要。

・人によってストレスを感じることは様々だが、常日頃から
 いろいろな経験を自ら率先して積み、様々な人や出来事に
 触れておくことで、ストレスと感じてしまう体験を減らして
 おくことで脳を守る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年2月17日
読了日 : 2014年7月30日
本棚登録日 : 2020年2月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする