ハーフが美人なんて妄想ですから! ! - 困った「純ジャパ」との闘いの日々 (中公新書ラクレ 420)

  • 中央公論新社 (2012年6月7日発売)
3.49
  • (11)
  • (29)
  • (27)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 190
感想 : 36
4

【感想】
 卑近な例では『レバレッジ○○術』がレバレッジを連呼するように、本書ではハーフという文字が氾濫しており目次を見るだけでゲシュタルト崩壊が起きそうになるが、それでも大事なお話なので読みましょう。
 話題の広がりとしては、国籍・戸籍や社会階層や人種・血統や偏見・いじめ・差別やバイリンガル教育や学校選択や容姿や氏名や親子関係やオッサンあるあるなど多岐にわたっている。
 著者は本を多数刊行しているだけあって、こういったテーマの紹介が上手い。実際、著者氏名を例に「場に応じて、名前をどう表記するか・どう名乗るか」を説明をしている項(112ー113頁)など抜群に分かりやすい。

【書誌情報】
初版刊行日:2012/6/10
判型:新書判
頁数:224ページ
定価:本体740円(税別)
ISBN:978-4-12-150420-3
http://www.chuko.co.jp/laclef/2012/06/150420.html


【目次】
はじめに [003-017]
  ハーフというと?
  ハーフ・マトリックス
  ハーフ? それともダブル?――そのほか呼び方について
目次 [018-023]
凡例 [026]

第1章 ハーフと言ってもピンからキリまで 027
  テレビの中のハーフはみんな華やか
  日・独ハーフに生まれて
  ハーフはモテるのか?――ハーフと容姿
  ハーフと財力
  ポジティブ連鎖とネガティブ連鎖
  現場ハーフ

第2章 ハーフのまわりの困った純ジャパ 053
1 積極的すぎる人々 054
  初対面で両親の馴れ初めを知りたがる質問マニア
  英語話したがりのオジサン
  ハーフや外人を狙う割り込みオバサン
2 思考停止する人々 067
  日本語で聞いても英語で返す駅員さん
  頭の中が真っ白になるファストフード店員
  ガイジン顔の日本人が理解できない人々
3 偏見のある人々 074
  「外国の女は軽い」と思う人々
  フランス・コンプレックスの先生
  不審がる銀行員
4 親 085
  ハーフにとって一番身近な困った存在、勘違いママ
  離婚した後、子供のもう一つのルーツを否定する親
  目立ちたがり屋のパパに悩まされるハーフ
5 理想の純ジャパ 104
  ハーフにとって、ありがたい純ジャパとは?

第3章 ハーフの「揺りかごから墓場まで」 107
1 誕生 108
  出生届はどこに提出?
  名付けは一生の問題
  国籍という武器
2 幼少期(1歳~6歳) 130
  ライフブランはお早めに
  バイリンガル教育は根気が勝負
  しつけはどちらの国流?
3 学校生活(小学生~大学生) 149
  校則に引っかかるハーフ
  ハーフといじめ
4 社会に出る(社会人~?) 170
  就活ハーフ
  ハーフとバイト
  会ったとたんビックリされるハーフ
  ハーフと結婚
5 年を取る 189
  劣化ハーフ
  いつお国に帰られるのですか
  墓場までハーフ

第4章 日本社会の片隅でハーフが叫ぶ 197
1 ハーフと愛国心 198
  日本とフランス、どっちを応援するの?
  ハーフはなぜ「愛国心」を持ちづらいか
2 ハーフと日本人 208
  ハーフを通して「日本人」を考える
  ハーフ? 日本人?
3 ハーフと地元力 214
  どちらの国にも「ただいま」と言える幸せ

おわりに(2012年5月 サンドラ・ヘフェリン) [219-222]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 36X.現代社会の問題
感想投稿日 : 2016年9月2日
読了日 : 2013年8月16日
本棚登録日 : 2014年8月22日

みんなの感想をみる

ツイートする