他者への自由――公共性の哲学としてのリベラリズム
シリーズ 現代自由学芸叢書
著者 井上達夫 (イノウエ タツオ)
東京大学大学院法学政治学研究科教授
版型 A5判 / 280 頁
価格 3,500円
刊行年月 1999年
在庫有無 在庫有り
ISBN 978-4-423-73091-1 c1330
一方には、リベラリズムの哲学的勝利を謳歌する人々がいる。他方には、その哲学的挫折を宣告する人々がいる。しかし、両者はリベラリズムの哲学的頽廃を歴史的円熟として祝福する点で、奇妙に一致している。本書は、この「明るい頽廃」に抗してリベラリズムの哲学的再生を図る、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。文化的同質性やコンセンサスの仮構を引き裂く価値対立の下で公共性はいかにして可能か。このアポリアをあえて引き受けるリベラリズムは、その公共性の哲学によって自由を自己中心性の檻から解放する。それは権力からの自由も権力への自由も陥る「他者からの自由」の陥穽を抜け出て、「他者への自由」の地平を開く。
〈http://www.sobunsha.co.jp/detail.html?id=4-423-73091-1〉
【目次】
1=序説:なぜリベラリズムが問題なのか
第1部=リベラリズムの秩序構想
2=自由への戦略:アナーキーと国家
3=公共性の哲学としてのリベラリズム
第2部=共同体論との対話
4=共同体論の諸相と射程
5=共同体と自己解釈的存在
第3部=自由の試練
6=自由世界のディレンマ
7=自由の逆説:リベラリズムの再定位
- 感想投稿日 : 2019年12月4日
- 本棚登録日 : 2019年12月4日
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